常にわが身をかえりみて

 夏休みに寺子屋サマースクールという、子どものための体験合宿にスタッフとして参加してきました。寺子屋サマースクールは、「子どもたちのために本当に必要なことをする」というスローガンを掲げている、宗派を超えた仏教者の会によって運営されていて、スタッフには、真言宗、真宗大谷派(お東)、曹洞宗、日蓮宗など、宗派を超えたお坊さんや、仏教系大学の学生さんたちが参加していました。

 今年のテーマは『共生(ともいき)』。鎌倉の建長寺に泊まって、友だちづくりをはじめ、国や民族、宗教の違いを超えて「どうしたら世界の人たちと仲良くできるか」を、様々な体験プログラムを通して子どもたちと一緒に考えました。ただ、そうしたことを考えながらも、サマースクール中には、子ども同士のケンカで、お互いに「相手が悪い」といっていつまでも意地を張り合うという一幕もありました。スタッフのねばり強い関わりの甲斐もあって、最終的には仲直りをしましたが、身近なところで『共生』を実践していくことの難しさも思い知らされました。

 でも、わが身をふり返って「自分は悪くない。相手に責任がある」と、他人のせいにしてしまうことはないかと考えたとき、恥ずかしい話ですが、家族や友人との関わりの中で、けっこうたくさんあります。
 人には悟ったようなことを話しながら、自分自身のことになるとなかなかうまくいきません。そのようなとき「仏さまのお慈悲の心ってすごいな〜。自分にはとうてい出来ないな〜。」と、あらためて思います。ですが、こんな私を「必ず仏(目覚めた人)にする」と誓われ、はたらいていてくださるのが阿弥陀如来なのですよとのお釈迦さまの教えを聞かせていただくと、「それなら今は、自分に出来うるかぎり、より良く生きるための精一杯をやろう!」という気持ちになるのです。

 最後に、浄土真宗の生活信条を一つご紹介します。


み仏の光をあおぎ 常にわが身をかえりみて 感謝のうちに励みます

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