お地蔵さんのお供え物

夏の風物詩の一つ『地蔵祭り』。

 お地蔵さんはよく道ばたに立っていらっしゃいます。覚成寺の近隣地域の地蔵祭りに集まるのは各地域の大人から子どもまでで、だいたい10数名です。読経の開始時間は夕方が多いです。

先日、上村地区の地蔵祭りに少し早めに行って、子どもたちとしばしの時間、遊びました。そして準備が整うと、「それでは、今からいつもみんなのことを見守ってくださっているお地蔵さまに『ありがとう』のお経を読みますね。」と言って仏説阿弥陀経を読みました。その間、子どもたちは本当に静かに聴いてくれていました。読経を終えて振り返ると人数が増えていて驚きました。

 お経が終ると、お地蔵さんにお供えしてあったお菓子がみんなに配られます。大人も子どもも平等に。お参りに参加したうちの娘に「お地蔵さんからもらったのだから『ありがとう』って手を合わせようね」と言うと、素直に手を合わせてお礼を言っていました。

 聞いた話ですが、昔は道ばたのお地蔵さんにお供えしてある物は、困っている人が持っていってよい空気があったのだとか。お地蔵さんにお供えした時点で、それはお布施をした人の物からお地蔵さんの物になるから、施主に代ってお地蔵さんが困っている人を助けていたのだそうです。

 最近ではあまり見かけない風景ですが、古き良き時代のあたたかい風習を後生に語り伝えたいものですね。

合掌


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