七高僧 A
しちこうそう

 浄土真宗の根本経典・浄土三部経の一つ『仏説無量寿経』の注釈書『浄土論』を著したインドの菩薩は、阿弥陀仏の極楽浄土に往生するための方法を“念門”という形で示されました。

 五念門とは、礼拝門(阿弥陀仏の像を礼拝する)、讃嘆門(阿弥陀仏の名を口に唱えて功徳を讃える)、願門(一心に阿弥陀仏の浄土に往生したいと願うこと)、観察門(阿弥陀仏や浄土の姿を思い浮かべること)、回向門(自分の得た功徳を他の人々にふりむけて、一緒に往生したいと願うこと)の五つで、親鸞聖人は、これら五種のから得られる利益がすべて、お念仏にわっていると説かれました。


【天親菩薩(インド・4世紀)】仏説無量寿経の註釈書を著し、阿弥陀仏への帰依を説いた。

 
 
天親菩薩造論説 帰命無碍光如来 依修多羅顕真実 光闡横超大誓願 

  広由本願力回向 為度群生彰一心 帰入功徳大宝海 必獲入大会衆数 

 得至蓮華蔵世界 即生信如法性身 遊煩悩林現神通 入生死園示応化 

(『正信偈』より)

《意訳》

天親菩薩は、『浄土論』を著して、「無碍光如来に帰依したてまつる」と述べられた。浄土の経典にもとづいて阿弥陀仏のまことをあらわされ、横超のすぐれた誓願を広くお示しになり、本願力の回向によってすべてのものを救うために、一心すなわち他力の信心の徳を明らかにされた。「本願の名号に帰し、大いなる功徳の海に入れば、浄土に往生する身と定まる。阿弥陀仏の浄土に往生すれば、ただちに真如をさとった身となり、さらに迷いの世界に還り、神通力をあらわして自在に衆生を救うことができる」と述べられた。

(本願寺出版社『顕浄土真実教行証文類』より)


BACK