浄土真宗の根本経典・浄土三部経の一つ『仏説無量寿経』の注釈書『浄土論』を著したインドの天親菩薩は、阿弥陀仏の極楽浄土に往生するための方法を“五念門”という形で示されました。 広由本願力回向 為度群生彰一心 帰入功徳大宝海 必獲入大会衆数 得至蓮華蔵世界 即生信如法性身 遊煩悩林現神通 入生死園示応化 (『正信偈』より) 《意訳》 天親菩薩は、『浄土論』を著して、「無碍光如来に帰依したてまつる」と述べられた。浄土の経典にもとづいて阿弥陀仏のまことをあらわされ、横超のすぐれた誓願を広くお示しになり、本願力の回向によってすべてのものを救うために、一心すなわち他力の信心の徳を明らかにされた。「本願の名号に帰し、大いなる功徳の海に入れば、浄土に往生する身と定まる。阿弥陀仏の浄土に往生すれば、ただちに真如をさとった身となり、さらに迷いの世界に還り、神通力をあらわして自在に衆生を救うことができる」と述べられた。 (本願寺出版社『顕浄土真実教行証文類』より) |