故人の写真について

Q.故人の写真を仏間に飾るのは良くないと聞きましたが本当でしょうか?

A.仏間に飾られている故人の写真は、葬儀の際に祭壇に飾られていたものだと思うのですが、では、そのような習慣はいつ頃からはじまったのでしょう。

 日本で最初に写真が登場したのは、1856年に江戸末期の薩摩藩主・島津斉淋を撮影したのが最初と言われています。葬儀で写真が使われるようになったのはそれよりも後のことで、一説によると戦時中に戦死された方の遺骨が帰ってこなかった場合などに遺骨の代わりとして用いられるようになったのがはじまりだといわれており、とくに古くからのしきたりではないようです。

 また、故人の写真を仏間に飾ることは浄土真宗として定められていることではありませんが、故人を偲ぶだけでなく、日々の暮らしの中で忘れがちな「限りあるいのち」を見つめさせていただいたり、いのちは自分だけのものではなく、父母をはじめ多くの方々のいのちに支えられて「今がある」ことを思い起こさせていただくという意味では、決して悪いことではないと思うのですが、いかがでしょう?



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