|
2月15日はお釈迦さまのご命日、『涅槃会』です。覚成寺では、今年はじめて涅槃会をお勤めして、中京大学で法律を専門に教えていらっしゃる平川宗信先生に『仏教と平和・憲法』と題して、仏教(浄土真宗)の教えをもとに、今の社会をどう生きるかをテーマに記念講演をいただきました。
平川先生は、「浄土真宗の救いは死後の世界のことだけでなく、すべての命のことを問題にしている。つまり、全人類、社会全体を相手にした活動が浄土真宗を信仰する人の生き方。」と話され、仏教が社会の様々な問題に対して、もっと積極的に対応するようになれば、今の社会が少しは変わるのではないかと提言されました。また、「浄土真宗は自分の力でなんとかしようと力まない教え。たとえ周りが自分の思い通りにならなくても、暴力(言葉も態度も)に訴えず、阿弥陀如来の本願(注)の力を信じて生きる教えです。」と、仏教はどこまでも非暴力の生き方を実践していく教えであることを強調されました(そういう意味では、2003年3月20日に米英軍のイラク攻撃を支持してしまった私たちは、本願に背いた生き方をしてしまっているのかもしれません)。
そして、平和について、「仏になるのも浄土に生まれるのも阿弥陀如来の力による」と教える浄土真宗では、まずはじめに、この私は生きている間には仏(=完璧な人間)にはなり得ず、この世は浄土(=真に平和な世の中)にはなり得ないという自覚を持ち、その上で、私の生き方を仏に、社会のあり方を浄土にどこまで近づけられるかを、あきらめないで続けていくことを奨めている。その生き方は、非武装の理想を掲げ、世界に向けて非暴力による平和の理念を発信し続ける日本国憲法第9条に通じるとして、平和は力によって守るものではなく、平和を願う人の気持ち(本願に応える生き方をしようとする人の気持ち)に信頼して、あきらめないでコツコツと築いていくものであると、昨今の憲法改正論議に一石を投じる、とても前向きな気持ちになる講演をいただきました。
平和のために、仏教が本当の意味でひろまるといいなと、心から思います。
注:本願とは、「すべての人を仏にしたい」という阿弥陀如来の願いのことです。
|