仏について@

 小学生のときに覚成寺でお経を習っていた方から、仏についてのご質問をいただきました。数回にわけて考えてみたいと思います。

Q「最近、クリスチャンの友人から仏教についてよく質問されるのですが、自分は仏についてよく分かっていないということが分かりました。仏とはどういう存在で、現世に生きる私達とどのように関わっているのかを、率直に聞かせてください。」

A「まず、仏とは『目覚めた人』とか『悟った人』という意味で、実在の人物では、インドのお釈迦さまがそう呼ばれていました。お釈迦さまは、生きること、老いること、病むこと、死ぬこと、を『四苦』と呼んで、生きる上での重要な問題とされました。お釈迦さまは『その苦しみの根元は何か?』『その根元をどうすれば克服して安らかに生きることができるか?』と考えはじめたのがきっかけとなり出家し、様々な修行の末、それらの問題が問題にならない生き方に目覚められました。すなわち『悟り』を開かれたのです。
 お釈迦さまは、はじめのうちはその『悟り』を一人で静かに楽しんでいましたが、やがて、他の修行者や普通に暮らす人々にも求められて、その悟りの内容を、その人その人に合わせてわかりやすくお話をされるようになりました。これが”教え”としての仏教のはじまりです(お経は、お釈迦さまが亡くなったあと、お弟子さん達がお釈迦さまの教えを後生に残すために編集したものです)。
 ですから、仏(仏教)とは、『私達が生まれついて持つ苦悩を、その根元から見つめさせ、素直に受け入れられるように支え、はたらいている存在』であり、仏と出会うことで、世間の価値観に流されない、本当に豊かな人生の歩みがはじまるのです。」《次号に続きます》



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