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イラクで人質になっていた香田証生さんが殺害されたことが、10月31日、確認されました。香田さんのご遺族の皆様に心から哀悼の意を表します。こんなことになってしまい、本当に悲しいです。 病気を治すとき、まずはじめにしなければならないことは、病気の原因が何なのかをつきとめることでしょう。それがはっきり分からないまま、上辺だけの治療をいくら施しても、病気はいつになっても治りません。 今回の事件は、香田さんが危険をかえりみずにイラクへ入ったことも、たしかに原因の一つかもしれません。でも、それは表面的な原因に過ぎないのではないでしょうか。私たちが、その向こうにある、もっと根本的な原因に真摯に目を向けなければ、このような悲しみが今後もあとを絶たないのではないかと、とても心配です。 2004年11月1日 副住職 大平一誠 |