四十九日って?


友 人「四十九日って何の意味があるの?教えて。」

副住職「四十九日の習慣は中国の『十王思想』から来ていて、それによると、人は亡くなると、あの世において、初七日、二七日、三七日…と順番に生前の罪を十人の王(閻魔大王もその一人)に裁かれるらしい。その裁判の結果、その後のことが決まるという。つまり、亡くなった人が成仏されるまでに四十九日の期間がかかるという考え方なんだ。」

友 人「でも、たしか浄土真宗は亡くなるとすぐに仏になるっていう教えじゃなかったっけ?なんで四十九日をやってるの?」

副住職「そこなんだよね。浄土真宗の教えにはそういう宙ぶらりんな期間がないのに、実際には四十九日をやっている。では、何のためにやっているかというと、それは、大切な人を亡くされて心にぽっかり穴が空いてしまった身内の人たちのためなんだと思う。そのために四十九日の習慣をそのまま用いて、ご縁の深い人たちと一緒に亡き人を偲びつつ、お釈迦さまが説かれた教え(お経)を聞いて、いのちの意味を考える機会にしているんだ。それと、葬儀のあとにそういう機会がある場合と無い場合とを想像してみるとよくわかるんだけど、家族を亡くして寂しい気持ちになっているときに、近しい人たちが毎週集まってきてくれて、悲しみや寂しさを共有してくれるのは、純粋に人としてあたたかい習慣なんだよね。」

友 人「ふ〜ん。お経は亡くなった人を慰めるために読んでるんじゃないんだ。」

副住職「そうだよ。お経は生きてる人のために説かれてるんだからね。」

 



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