バングラディッシュのお坊さん


 先日、『バングラディッシュのお坊さんとの交流会』を覚成寺フレンズの企画として開催しました。講師のギャナ・ラタナさんは、12才で上座仏教(厳しい修行を積んで悟りを目指す仏教)のお坊さんになられた方で、現在は愛知学院大学で非常勤講師をしてらっしゃいます。

 ギャナさんは浄土真宗と違って、厳しい戒律(仏教の約束事)を守って生きてらっしゃいます。たとえば食事は1日2回、朝と昼しか食べません。昼の12時をすぎるとお茶やジュース以外は口にしないのです。それで、「晩ご飯を食べないことにはどんな意味があるんですか?」とお尋ねしたら、ギャナさんは笑顔で「だって、いつも満たされていたら、空腹の苦しみがわからなくなるでしょ?」と答えてくれました。人の痛みに共感するための修行なんですね。これを聞いた瞬間、居酒屋さんなどで吐くまでお酒を飲んだり物を食べたりしていた自分の若い頃のことを思い出し、すごく恥ずかしい気持ちになりました。

 また、「お坊さんとしての目標はやはり仏教を広めることですか?」とお尋ねしたら、「みんなが私のように幸せな気持ちで生きられるのなら、別に仏教じゃなくても構いません。」と答えてくれました。日本では仏教といえば、お葬式か法事といったイメージが強いですが、ギャナさんと出会って、仏教は本来、人が心安らかな境地で生きていくための教えであることを再確認させていただきました。

 



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