「本多立太郎さん『戦争体験出前噺』」
(2004.12月19日)

本多立太郎さん(写真左から3番目)…1914年、北海道小樽生まれ。20歳で上京。徴兵に2度応じ、敗戦後シベリアより帰国。戦後は金融機関に勤務し、大阪で定年。86年2月より『戦争出前噺』として戦争体験を語りはじめる。以来、全国で1000回(本年11月20日、秋田県で)、延べ11万人に”出前”をし、現在に至る。
 著書『ボレロが聴きたい』(耕文社)他

 12月19日、覚成寺フレンズ年末特別企画として、90歳の本多立太郎さんをお招きして、『戦争体験出前話』を聞きました。
 本多さんは20代で2度の召集をうけ、中国大陸で「殺さなければ殺される」異常な狂気を体験され、シベリアで捕虜体験を経て帰国された方です。
 本多さんはお話の中で、「ごく普通の青年たちが生きて帰りたいと願いながら、無念に死んでいった。いや、殺されていった。死んでいく時、みんな『お母さん痛いよう助けて。』と叫んで逝った。この事を女性の皆さんに特に覚えていてほしい。孫のむじゃきな姿を見たとき、この子に軍服を着せてはならないと思い、出前噺をはじめました。いままさに、いつか来た道をたどっている。いま声をあげなければ何も言えない群集にされてしまう。それが怖い。」と、おっしゃっていました。

 国内外を問わず不安なニュースが絶えない現状に、やるせない思い、無力感から、ついあきらめムードになりそうですが、90歳の本多さんのお話を聞いて、「どんな小さなことでもいいから、できることからはじめよう」と、そう思える勇気をもらいました。

本多さんのお話を聞いて
 戦争は、みんなの大切な人がどんどん亡くなっていってしまうので、やっぱり戦争はいやだなぁと思いました。(14才、女性)
戦争とは、みんなが国のために進んで行くものではないことがわかった。戦争はすごくこわいと思った。(14才、女性)
立太郎さんが20才のときは、成人式じゃなくて兵隊になれるかどうかの検査をされたことなど、戦争のときのことがよくわかった。(12才、男性)
実際に体験した方の貴重なお話、想像するだけで涙があふれました。そういう思いを、もうだれもしたくない、させたくない…心から思いました。(40才、女性)
戦争はこれからもおきてはいけないものだと思います。その戦争を体験してきた本多さんは、すごく怖い思いをしてきたんだと思った。今までよくがんばってくれていたなぁと思いました!!(14才、女性)
過去の過ちを二度と繰り返さない為、自分の子ども、孫に、悲惨な目に合わせない為に何が出来るか、真剣に考えていきたい。(44才、男性)
私たちの中では、もうTVの世界だった戦争話でも、昔本当にあったんだなぁと思うと、とても苦しい気持ちになりました。戦争がおきたから命を大切にしなきゃいけないと気付き、憲法がつくられたけど、今また、戦争をしようとしていたり、憲法を変えようとしている。また戦争をしないと命の大切さがわからないのかなぁと思いました。でも、私がもし戦争へ行って人を殺さなければいけなくなったら、私は絶対に人を殺したくありません。(17才、女性)

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