「バングラディッシュのお坊さんとの交流会」(2004.6月20日)

 今回はバングラディッシュのお坊さん、ギャナ・ラタナ・スローモンさんをお迎えして、バングラディッシュという国のことや、そこで暮らしている人たちの様子などを教えていただきました。また、ギャナさん直伝のバングラディッシュカレーも作って、みんなでいただきました。

【ギャナ・ラタナ・スローモンさん】

 1968年生まれ、バングラディッシュ・チッタゴン出身。12才で上座仏教のお坊さんになられる。
 日本へは1994年に留学生として来日され、愛知学院大学で学んだのち、同大学の非常勤講師となられました。現在は名古屋市に住んでみえます。
 ギャナさんはバングラディッシュの仏教についてお話をされるほか、お釈迦様が教えられた「心の問題」の解決法”瞑想”を広める活動もなさっています。

【バングラディッシュについて】

 首都はダッカ。言語はベンガル語で、バングラディッシュとは「バングラ語を話す人たちの国」という意味だそうです。世界地図で見ると、インドの東隣に位置しています。
 ギャナさんのお話によると、バングラディッシュはもともと東パキスタンという国で、1971年にインドの助けを借りてパキスタンから独立したばかりなので、まだまだ政治的に安定していないとのことでした。
 宗教については、国民の8割がイスラム教で、仏教やキリスト教を信仰している人は少数派だそうです。ギャナさん曰く「別に仏教でも何でもいいですから、みんなが幸せな気持ちで生きられるようになることが一番」だそうです(なんておおらかなんでしょう☆)。
 あと、バングラディッシュでは拡大家族がほとんどで、2〜3世代が一つ屋根の下に一緒に住んでいて、家族の絆がとても強いそうです。日本みたいに家を離れたり独立したいという概念はバングラディッシュではあまり歓迎されないそうなのですが、それは、バングラディッシュでは社会保障が行き渡っていないので、家族が福祉の基盤になっているからなのだそうです。両親にとっての幸せは子や孫を持つことで、彼らの世話をする代わりに、自分たちが年をとった時に面倒を見てもらうことを期待しているのだそうです。


ギャナさんは午前中からいらっしゃって、今回カレー作りを手伝ってくださる近所のみなさんにバングラディッシュカレーの作り方を伝授してもらいました。
ちなみにギャナさんは戒律(お坊さんの約束事)のため、お昼の12時以降は食事をされません。「いつも満たされてたら、苦しみがわからなくなるでしょ?」と、ギャナさんは涼しい顔で話してくれました。

覚成寺フレンズ、スタンバイOK! こちらは司会進行の打ち合わせ中。
バングラのお話をするギャナさん。
バングラディッシュの子どもたち。ギャナさんが指しているのは出家してお坊さんになった少年。お坊さんになっても他の子と同じように学校生活を送れますが、普通の子に比べて、守らねばならない約束事がたくさんあるので、かなりガマンが必要なようです。逆に言えば、幼い頃から戒律を守って生きていく訳ですから、バングラディッシュの人々はお坊さんのことを尊敬するのでしょうね。
湖で洗濯をする人、体を洗う人、野菜を洗う人。みんな一緒に行われています。
お話のあとは、門信徒会館でバングラディッシュカレーを試食☆
「から〜〜〜い!!!」唐辛子入りのカレーに悲鳴をあげるお経教室の子たち。
一応日本の甘口カレーも用意してあったのですが、「混ぜてもからい!」と言ってました(^^)
《参加者の感想から》

バングラディッシュのカレーはからいけどおいしかった。ギャナさん、ありがとう。〔10才、男性〕

(バングラディッシュのカレーは)素朴でおいしいカレーでした。にぼしが入ってたのにびっくり。体にいいカレーですね。(バングラディッシュのお話について)貧しくてもみんな頑張って生活している様子がよくわかってよかったです。〔女性〕

(バングラディッシュの暮らしぶりを聞いて)日本より生活きついんだなーと思った。〔10才、男性〕

カレー、とてもおいしかったです。作り方を教えて頂きましたので、我が家でもぜひ作って、今日の思い出にしたいと思います。〔62才、女性〕

バングラディッシュに旅行したくなりました。〔21才、男性〕

日本とバングラディッシュの違いがよくわかりました。バングラディッシュでは遊びたくても遊べない人もいるということも。〔41才、女性〕

(カレーについて)煮干しの使い方が新鮮でした。また、女性への支援などがバングラディッシュならではなのでしょうか。考え方がおもしろいです。スライドショーでの説明はわかりやすかったです。〔29才、女性〕

(バングラディッシュのお話は)おもしろかった。〔6才、男性〕

バングラディッシュのカレーは、日本のカレーと全然ちがうなぁと思った。今までバングラディッシュという国を知らなかったので知れてよかった。日本と違う文化があって、考え方があって…。おもしろいなぁと思った。〔17才、女性〕
ギャナさんとフレンズの記念写真。パシャ☆

今回の企画で、仏教が本来、生きるより所としての教え”法”であることをあらためて実感しました。また、厳しい戒律を守りながらも健やかに生きてらっしゃるギャナさんに出会い、仏教の魅力を再発見することができました。仏教ってホント奥が深いです。
覚成寺フレンズ代表 大平一誠

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