「いのちの大切さ」(2004.3月15日)

 3月15日(月)18:00〜20:00、羽島市を拠点に活動しているNPO『アジア太平洋子共救済センターこの指とまれ』代表の後藤明さんを覚成寺にお招きして、カンボジア地雷原の中で暮らす子どもたちのお話を聞いて、「いのちの大切さ」をテーマに座談会を行いました。
 後藤さんたちのグループは、地雷原で足を失ったカンボジアの人たちへ義足を送る支援を長年続けられています。

 本物の地雷(もちろん中身はカラッぽです)を見せながら、どのようにして地中に埋められているのか、また、どのようにして爆発して人を傷つけたり殺したりするのかを、説明してくださる後藤明さん。
 こうした地雷が、全世界で1億2千〜5千万個埋まっているそうです。ちなみに物にもよりますが、地雷1個は250円くらいで買えるそうで、後藤さんは「たった250円で人の命が奪えるんです」と、悲しそうに話されました。
 
 この連続写真は、地雷撤去作業の最中に誤って地雷を踏んでしまった時のものです。
 地雷はアフガニスタンにもたくさん埋まっていますが、カンボジアはこうした密林が多いので、大雨などで土砂が流れると、地雷の位置も変わってしまい、撤去作業がとても危険なんだそうです。ですから、地雷撤去作業の専門家の人でも、このようなことになってしまうのだそうです。
 もっとショックなのは、このような山の中で手足を吹き飛ばされた場合、病院がある街まで行くのにすごく時間がかかるので、手足が腐って苦しんで死ぬよりは…ということで、仲間の人が安楽死をさせる、ということです。
 ほかにも、15s以下の体重では反応しない地雷原では、気付かずに小さな子どもが入って遊んでいても大丈夫なのですが、そこへ大きな子どもが入ったとたん地雷があちこちで爆発。手足を失いもがき苦しむ子どもたちを救いたいと思っても、なにしろタタミ1枚のスペースを除去するだけで2週間かかるので、そうした場合も、まだ息のある子どもたちでも安楽死の方法を取るなど、とても想像できないような状況に今もあるのが、カンボジアなのです。
 
 後藤さんがカンボジアで撮影された「光と影」の写真。光に照らされた子ども、そして、その隣の足を奪われた影の中の大人。カンボジアの子どもたちの未来を暗示しているかのようで、とても切ない写真です。
 後藤さんはまた、「今はインターネットを使えば99%のことは何でも知ることができます。でも、残りの1%のことは実際に行ってみないとわからない。僕は、その1%をみなさんに伝えるためにいろんなところに行くんです。」と熱く語ってくれました。
 後藤さんのお話を聞いた後、フレンズのメンバーが思い思いに感想を話し合いました。
 「自分には足が”ある”ということのありがたさを知った。失ってはじめて気付くことをお話で教えてもらえてよかった。」「(安楽死のことについて)殺す方も殺される方も苦しいと思う。本当に悲しいこと。」「生きている意味を考えた。」などなど…。

 今回、後藤さんのように熱く生きている人の生き様に触れて、フレンズのメンバーがそれぞれ主体的にいのちの大切さを考え、自分の思いを自分のことばで一生懸命に語ってくれたことが、とてもうれしかったです。      

覚成寺フレンズ代表 大平一誠
 


















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