「イラク最新情勢報告会に参加して(2003.12.17)

 12月17日(水)、JR岐阜駅高架下のハートフルスクエアGで、イラクの子どもたちに医療支援をしている
市民団体「セイブ・イラクチルドレン・名古屋」代表の弁護士・小野万里子さんの帰国報告会がありました。
 この会は、「岐阜県中高生平和ゼミナール」と「覚成寺フレンズ」の共催で行われ、約30人の市民の方々
が集まってくださいました。
 小野さんはイラク戦争直前の訪問に続く2度目の訪問を15日間され、バグダッドやバスラの病院を回り、
11月末に帰国されたばかりで、劣化ウラン弾の後遺症とみられる病気に苦しむ子ども達の様子と、イラクの
最新状況を写真で紹介してくださいました。

 小野さんの、イラクの人達の視点に立ったお話は、とても身につまされるお話でした。
と同時に、私たちには、自衛隊の派遣以外にもできる(イラクの人達に必要とされている)支援があることも
知ることができました。

  覚成寺フレンズ代表 大平一誠


「劣化ウラン弾の放射能が原因と見られる白血病などで、命の危険にさらされている子どもは多い。
 私たちに今何ができるかを考えてほしい」と訴える小野さん。(画像左)

 陸上自衛隊が派遣される予定のサマワにも、劣化ウラン弾に破壊された兵器の残骸があるそうです。
イラクで起きている不可解な病気の多発や、湾岸戦争時の米国の帰還兵にもイラクの子ども達と同様の
症状が多発していることを考えると、心配でなりません。


 最後に、今回の報告会に参加してくれたフレンズのメンバーが、週刊少年マガジンに載っていた、
湾岸戦争で使われた劣化ウラン弾の被害を取材し続ける写真家・森住卓さんのドキュメンタリーコミックを
読んでの感想文を掲載させていただきます。

ドキュメンタリーコミック『汚れた弾丸』を読んで

 私は少年マガジンのドキュメントコミック『汚れた弾丸』を読んでとっても悲しい気持ち、怒りの気持ちで、
心が痛くなりました。マンガでは、はじめて劣化ウラン弾について読みました。
 劣化ウランは、永遠に続く殺人兵器…。子どもたちのガンや白血病の原因に。このマンガの中に書かれ
ている白血病、ガンの子どもたちがいたいたしくのっているのが恐ろしいぐらい伝わってきます。涙が出る
くらいです。でも、イラクではそれが『現実』。薬もなかなか入らない。だから、たくさんの子が毎日亡くなって
いく。私だったらそんな所にいたくない!たえきれないと思います。
 劣化ウラン弾は簡単に作れるし、材料費はかからないから何個でも作れる。でもそれ一個のせいで、
たくさんの人の命が亡くなったり、病気で苦しんだりしなければならない。「なんで劣化ウランなんか使うんだ?」
それは「勝つため」と一言書いてあったのを読んで、私はそれだけ?と思いました。自分の国の人がどんどん
死んでいくのに、劣化ウランを使うのは勝つため。ゆるせないぐらいこのイラク戦争に腹が立ちました。
 イエローケーキっていう言葉が出てきて、はじめは何だろうと思っていたけど、それはとても危険な放射線を
放っていることを知りました。
 日本も広島・長崎に原爆が落とされ、たくさんの方が亡くなってしまいました。今のイラクも同じです。言葉に
できないほど悲しいです。
 森住卓さんの写真展は、いいことだなぁと思いました。もっとイラクの子どもたちのことを知って、一人でも多くの
人に見てもらって、わかってもらえたらいいなぁと思います。 今、日本は自衛隊を派遣すると言っているけど、
それはどうなんだろうと私は思います。別に悪いとは思っていないけど、今、イラクで必要なのは薬じゃないかなぁと、
このマンガを読んで思いました。本当に良いマンガを読めてよかったです。

  覚成寺フレンズ 堀 志帆(高1)


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