9.11〜同時多発テロをふり返って〜
 2001年9月11日にアメリカで起こった同時多発テロからもうすぐ2年。今年はテロの犠牲者の3回忌にあたります。

 当時は日本も含めて国際世論のほとんどがアメリカに対して同情しました。そして、すぐさまテロのリーダーと見られていたビンラディン氏を倒すため、潜伏先とされていたアフガニスタンをハイテク兵器で攻撃しました。でも、ビンラディン氏は結局見つからなかったばかりか、この攻撃により、罪もないアフガニスタンの人々の命がたくさん奪われ、また多くの難民が生まれました。
 
 テロ行為はたしかにゆるせない行為であり、犠牲者やそのご家族のことを想うと言葉もありません。ですが、報復の名の下なら、罪もない人々をどれだけ殺しても構わないのでしょうか…。
 イラク戦争が始まる前、同時多発テロの犠牲者のご家族の中には「自分たちの悲しみを戦争の理由に使わないで」という声もあったそうです。どうしてアメリカがあそこまでのテロ攻撃を受けたのか、その理由を考えることが見落とされている気がしてなりません。

 浄土宗の開祖・法然のお父さんは、法然が幼少の頃、賊に襲われて亡くなっています。亡くなる時に法然のお父さんは幼い法然に、「決して相手に仕返しをするな。お前が仕返しをして相手を殺せば、また相手の一門がこちらに仕返しをする。そうなれば、”殺し殺され”の悪因縁がくり返される。だから仕返しはするな。」と、言い残されたそうです。

 こうした精神を、私たち一人ひとりがほんの少しでいいから意識することで、世の中は今よりもっと穏やかになると思うのですが、いかがでしょう?

 大平一誠


☆参考図書のご紹介☆
『戦争中毒〜アメリカが軍国主義を抜け出せない本当の理由』
原著者…ジョエル・アンドレアス
日本語監修…きくちゆみ
※この本についてもっと詳しく知りたい方は、こちらをご覧ください
BACK