自分の身の丈に合った できること
 先日、地域の広報誌『あんぱち議会だより』を読んでいたら、国民保護法を推進するための地域の条例が「賛成13人、反対1人」で可決されたことが載っていました。

 記事には賛成派と反対派の議員さんそれぞれの意見が掲載してあったのですが、何よりも「13対1」という結果に、ボクとしては「国民保護法と言えば聞こえはいいけど、要するに戦争状態になったとき(いわゆる有事)のことを想定した法律に対して、地域がどう主体的に考え対応するかを決める重要な議案なのに、反対がたったの一人なのぉ?!」という思いに駆られ、この条例の可決にあたり、実際議員さんの中でどれだけ掘り下げて議論がなされたのかが知りたくなり、議会だよりに載っていたご意見コーナーの宛先に即座に質問状を送りました。5月1日のことでした。

 すると翌日、さっそく議会事務局の方から、「連休明けに議員が直接会って説明させていただきます」とのお返事がありました。大変素早い対応をしていただいたことに正直驚きつつもまずは感謝感謝。連休が明けた5月8日に、喫茶店で二人の議員さんと直接お会いしてお話を伺うことができました。

 説明の内容は、「賛成13、反対1」といっても、広報誌には載らない部分で、つまり、議会の中だけでなくロビーなどでも議論は交わされていて、ボクが心配しているほどすんなり通った訳ではないということがまず1点。 それと、国民保護法そのものに関しては、地方自治体の議員の立場では、国や県から降りてくるものに対して出来ることの限界があるという”立場的なつらさ”も素直に吐露してくださいました。

 今回、ボクが意見を送ったのは広報誌に掲載してあった事項についてだったので、会ってくださったのは広報誌を担当している二人の議員さんでした。今回の条例や憲法9条に対しての考え方など、お互いの多少の思想信条の違いを認めつつ意見交換ができたことは、とても有意義なことでした。
 ボクとしては、テロに対する備え方について、「たしかにテロは恐いです。起してはならないことだし起きて欲しくないことです。今、日本政府が進めようとしている相手を信じず脇をガチガチに固める表面上の対処法では、余計に周辺諸国の緊張を生むだけではないでしょうか?」と提言させていただきました。
 面談してくださった議員さんも「『議会だより』へご意見をいただいたのは初めてです。」と、大変うれしそうでした。

 本当は、テロだけを見て対処法を考えるのではなく、何がテロの原因になっているのか、どうして日本がねらわれるようになってしまったのか、そういうところまで掘り下げて議論したかったのですが、ボクも小心者なので、その場では頭がそんなにクルクルまわらなくて、そこまでのお話はできませんでした。

 今回、勇気を出して議会事務局宛てに意見を届けてよかったなと思いました。町民の声に即座に反応してくださる真摯な議員さんがこの町にいらっしゃることがわかったのですから。

・・・

 先日、中京テレビの「お助けマンマミーア」という夕方の番組で、9.11事件の真相を探求する内容を生放送でやっていました。

 ペンタゴンに突っ込んだ飛行機の残骸がどこにも見当たらない、ボーイングが突っ込んだにしてはあきらかにペンタゴンの傷つきつき方が不自然、などなど、見ていてドキドキしちゃうような内容でした。でも、番組としてよかったのは、あれはテロだったのかアメリカ政府の陰謀なのかのどちらかの意見に偏るのではなく、「あきらかに隠されている情報が存在する」、ということを示していたことでした。それをきっちり言ってのけるメディアが、ローカル局であっても存在するのを知って、まだまだ捨てたもんじゃないなぁと思いました。

 その放送を見終わってすぐに、新聞のテレビ欄に載ってる中京テレビの電話番号に電話して、「よくぞあそこまで突っ込んだ議論をしてくれました。感動しました。」と、しどろもどろになりながら感想を伝えました。

 長くなりましたが、今回の一連の経験を通して、議員さんにしてもメディアにしても、ボクたちの反応がないとやっぱりやる気も出てこないんじゃないかな?ということを思いました。どんな小さな意見でもいいんです。「賛同」でも「批判」でも「質問」でも何でもいいから、まずは「反応する」ことが大事なことなんだと改めて思いました。
 一人一人は微力かもしれませんが、そうしたことを少しずつ積み重ねていけば、まず地域が変わるでしょう。地域が変われば県も変わるでしょう。県か変わればやがて国も変わっていくでしょう。やがて世界も…

 これからも、自分の身の丈に合ったできることを、肩肘張らずにがんばってやっていきたいです。
大平一誠

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