僕のイラク支援
 米英軍による一方的なイラク攻撃からもうすぐ一年。

 今なお戦争状態にあるイラクから、アッバース君(5才)がお母さんのアンワールさん、イラク人のアサード医師、ムハマド医師と1月8日に来日しました。
 アッバース君は悪性の血液の病気を治すため、名古屋大学付属病院で治療を受けています。2人の医師は同病院で医療研修を行っています。
 この方たちを招いたのは、名古屋の市民グループ『セイブ・イラクチルドレン名古屋』の小野万里子さんたちです。

 イラクでは、12年前に起きた湾岸戦争で使われた放射能兵器『劣化ウラン弾』の影響で、小児がんや悪性の血液の病気で苦しむ子どもが飛躍的に増えました。さらに放射能を浴びた兵士や女性からは、先天障害を持つ子どもが産まれる確率が非常に高くなりました。そうした子どもたちは産まれて間もなく亡くなるか、長年の経済制裁のために病院に治療薬が慢性的に不足しているので、十分な治療を受けることができないまま、ただ死を待つばかりの状況が今も続いています。

 そんなイラクに、昨年のイラク攻撃では湾岸戦争を上回る量の劣化ウラン弾が再び使用されました。劣化ウランは空気中に微粒子となって飛散して、人が呼吸をすると肺に入って体に害を及ぼします。また、土や水に染み込んで汚染を広げていきます。

 その影響が半分に減るまでにはおよそ45億年かかるといわれています。

 そうなると、これはもうイラクだけの話ではなくなってきます。せっかく環境にやさしい車を作っても、ダイオキシンを出さないようにゴミの分別をしても、とりかえしのつかないような環境汚染を引き起こした、地球規模の問題なのです。

 僕はイラクに行ってきた日本人やイラクのお医者さんから見たり聞いたりしたことと、自分でも勉強してみて、理屈うんぬんじゃなくて、今すぐ支援が必要なのは、戦争の二次被害で苦しむ人たちへの支援だと思い、セイブ・イラクチルドレン名古屋の活動をお手伝いすることにしました。

 副住職 大平一誠 

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『汚れた弾丸/アフガニスタンで起こったこと』
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